寛容な社会を育てる学びとは|AIAIモンキー開発の原点
「AIAIモンキー」が生まれるきっかけとなったのは、2016年6月11日に放送されたNHKスペシャル「私たちのこれから #不寛容社会」でした。
番組では、インターネットやSNSでのバッシングや炎上、対立する意見の衝突など、社会の中に広がる“寛容さの失われた空気”が取り上げられていました。異なる意見を認め合う余裕がなくなり、社会全体が萎縮してしまうのではないかという警鐘が鳴らされていたのです。
その番組を見ながら、私は強く感じました。
世の中には、自分とは違う考え方をする人がたくさんいる
一人ひとりが実感することが大切なのではないか
もちろん、すべての意見に共感することは難しいかもしれません。
しかし、違う意見に対してすぐに否定するのではなく、「そう考える人もいるんだな」と受け止められる社会であれば、人はもっと安心して意見を発言できるはずです。
実際に、小学5年生の授業でAIAIモンキーを使った話し合い活動を見学したとき、私は大きな衝撃を受けました。
「そんな考え方があるんだ!」と思わず驚くような意見が、子どもたちから次々と出てきたのです。

一人ひとりの意見が可視化されることで、子どもたちは自分とは違う考え方に出会い、他者の視点を知ることができます。この体験こそが、多様な意見を受け止める力を育てるのではないかと感じました。
番組を見てから2か月後の2016年8月、文部科学省から「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の公募が発表されました。私は、不寛容社会の問題を背景に、子どもたちが多様な意見に触れ、互いの考えを知ることができる仕組みとして、AIAIモンキーの基礎となる提案書を作成しました。

その後、千葉大学教育学部の藤川大祐教授とともに提案をブラッシュアップし、事業は採択。3年間の実証研究を通して、他者参照や意見の変容の可視化、振り返りなどの機能を開発しながら、学校現場で活用できるツールとして進化してきました。
AIAIモンキーは、子どもたち一人ひとりの意見を大切にし、多様な考え方に出会う学びを支えるツールです。
子どもたち一人ひとりの意見を大切にし、多様な考え方に出会う学びは、これからの教育にとってますます重要になっていきます。













